「人がやるしかない」の多くは思い込み。今日、人と会って線引きが見えた

今日は、面談と会食が続く一日でした。人と直接会う場が多い日ほど、AIに任せられることと、自分が出るしかないことの線引きが、はっきり見えてきます。今日は、その線が、いつもよりくっきりしていました。

パソコンの前の作業は、ほとんどAIに渡していい

まず、任せられる側から書きます。膨大な情報の中から、目的に必要なものだけを探し出す。あちこちに散らばった数字を、つじつまが合うようにそろえる。仮説を立てて、それを一つずつ検証する。こうした、パソコンの前に座ってやる作業は、ほぼ全部AIに任せてよい。これが、いまの私の基本の考えです。

理由は、はっきりしています。自分一人ではとても調べきれない量を、AI経営本部は短い時間でさばいてくれるからです。今日も、商談の前に、相手の会社のことを下調べし、話す材料をそろえるところは、ほとんどAI経営本部に任せました。私がやったのは、出てきた材料に目を通し、どこを話すかを選ぶことだけです。ここで人間が同じ作業を頑張っても、速さでも、抜けの無さでも、もうAIには勝てません。だから、勝てないところは、潔く渡す。渡した分だけ、人にしかできないことへ時間が空きます。

「人がやるしかない」の多くは、思い込み

やっかいなのは、その反対側です。「これは自分が出るしかない」と感じる仕事ほど、いったん、その前提を疑ってみる必要があります。

「自分にしかできない」と思っているだけで、本当は、ただの固定観念で人間の側に残している。そういう仕事が、実は多いのです。「これは人がやらないとダメだ」と決めつけている線を、どれだけ外側へ動かせるか。ここを崩さないと、いつまでたっても、自分の時間は空きません。AI経営本部を使っていて、私がいちばん頭を使うのも、この見直しです。新しい道具の使い方を覚えることより、「これは本当に人がやることなのか」と自分の思い込みを疑うことのほうが、ずっと難しい。

なぜ、手放すのがこれほど難しいのか。理由は、二つあると思っています。一つは、長くやってきた仕事を人に譲るのが、その仕事の値打ちを自分で下げるようで、抵抗があるからです。もう一つは、任せた結果に、どうしても不安が残るからです。けれど、抱えたままでは、社長の時間はいつまでも埋まったままです。大事なのは、手放して空いた時間で何をするか。そこにこそ、社長にしか出せないものがあります。渡すことは、手を抜くことではありません。自分の時間を、いちばん値打ちの高いところへ移すことです。

思い込みを外すには、仕事を作業に分けて見る

では、どうやって「人がやるしかない」を外すのか。私がやっているのは、一つの仕事を、細かい作業に分けて見ることです。たとえば「商談の準備」を、ひとかたまりの人の仕事だと思うと、全部を自分でやる気になります。けれど、これを「相手を調べる」「材料をそろえる」「何を話すか決める」「実際に会って話す」と、分けてみる。すると、前の三つはAIに渡せて、最後の一つだけが人に残る、と見えてきます。

ひとかたまりで見ると人の仕事、分けて見るとほとんどがAIの仕事。この違いは、思っている以上に大きい。仕事を大きな塊のまま抱えている限り、AIには何も渡せません。逆に、細かく割ってしまえば、渡せる部分は次々に見つかります。「自分の仕事」と思っていたものの正体は、たいてい、渡せる作業の束です。

最後に残るのは、「何をしたいか」を感じる力

では、細かく分けたあと、本当に人間にしか残らないものは何か。今日はっきりしたのは、「自分は本当は何をしたいのか」を、感覚で感じ取る力です。理屈で説明する前の、味覚に近い感覚。うまいか、まずいかを舌が先に決めるように、これは良い、これは違う、と体が先に決める。ここは、AIには渡せません。

AIが出してきた案に、「なんとなく、違うな」と引っかかる。あの違和感も、まだ人間の側にあります。統計も、情報も、AIが全部そろえてくれる時代です。だからこそ、その場に立った人が肌で感じ取ったものの値打ちが、逆に上がっていきます。今日、人と向き合って話しながら、いろいろな経験を積んできた人ほど、これから強くなる、と改めて感じました。感じ取る力は、机の上では育たないからです。

そして、その肌で感じたものを、また言葉にして、AIに返していく。パソコンの前はAIに任せ、人は会って感じることに時間を使う。感じたことは、またAIに戻して、次の判断の材料にする。この行き来が、これからの経営で効いてくると思っています。

仕事を分けると、渡せる量が見える

同じことは、規模の大きくない会社ほど、効くはずです。社長が現場に近く、判断の多くを一人で抱えているからです。まず、自分が「これは自分がやるしかない」と思っている仕事を、紙に書き出してみる。そして一つずつ、細かい作業に分けてみる。分けたうちの、パソコンの前だけで完結する部分は、思いきってAIに渡してみる。おそらく、思っていたより多くが渡せます。そうして空いた時間を、人と会い、肌で感じることに回す。当社は、この分け方そのものを、AI経営本部という仕組みにして、自社で毎日試しています。うまくいったやり方も、外したやり方も、この場所に書いていきます。

MICOTOの取り組み

AI棟梁(社長の決めごとを、社内の手順に置きかえる役)。社員が自社の実データから、動くAIツールを1本つくり切る研修です。

AI経営本部。お金の流れ・営業・週次の経営会議を、AIエージェントの組織で回す仕組みです。

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