今日は、ある方と半日ゆっくり話して感じたことを書きます。
進化が速すぎて、ワクワクと恐怖が同時に来る
正直に言うと、最近のAIの進化は、すごすぎて、毎日ワクワクしています。昨日できなかったことが、今日できるようになる。その速さに、単純に興奮します。
でも同時に、少し恐怖もあります。この変化の大きさに、世の中の多くの人が、まだ気づいていない。気づいた人と、気づいていない人の差が、これから取り返しのつかない速さで開いていく。そういう予感が、ワクワクの裏側に、ずっとあります。差が開くのは、頭の良さではありません。気づいて、先に手を動かしたかどうか。ただ、それだけの差です。
一流の人でも、AIは「お試し」で止まっていた
今日お会いしたのは、AIをかなり使いこなしている技術者の方でした。学びも思想も深い、まちがいなく一流の方です。
その方でも、いまのAI開発ツールの使い方は、「ちょっとエージェントを作ってみた」「新しい機能を試してみた」という段階でした。責める話では、まったくありません。むしろ、それが普通なんだと思います。新しい道具が出たら、まず触ってみる。技術のある人ほど、次々に試せます。ただ、試すことと、自分の仕事の本体をそこに載せることの間には、思っているより深い溝があります。
なぜそう言えるかというと、私自身も、少し前まで同じだったからです。自分の会社の経営が大きくつまずいた出来事があって、それをきっかけに、お試しではなく、経営そのものをAIに本気で載せて回し始めました。資金繰り、営業、判断の記録。逃げ場のない、本物の仕事を載せた。その一線を越える前と後では、見える景色が、まるで違います。今日はその差を、あらためて実感しました。優秀な人でも、越えていない一線がある。裏を返せば、越えた人には、まだ大きな余白がある、ということです。
伝わるのは、理屈より「一目で分かる形」
もうひとつ、今日はっきりしたことがあります。この仕組みを人に説明するとき、分厚い文章やロジックを並べても、ほとんど伝わらない、ということです。
どれだけ正確に言葉を尽くしても、多くの人には届きません。届くのは、一目で「あ、そういうことか」と分かる、絵のほうです。動いている画面を見せると、言葉で三十分かけた説明が、数秒で伝わる。良いものを作ることと、それが伝わることは、まったく別の技術です。私たちは、作るほうに気を取られて、伝える形を、後回しにしていました。そこを、根本から作り直す必要があると感じました。
驚いてもらえると、次につながる
最後に、効いていることを、ひとつ。人のつながりを持つ方を通じて、その先のお客さまに実物を見てもらい、驚いてもらえると、次の話につながりやすくなります。
売り込みの言葉ではなく、動いている実物の驚き。それが、いちばん強い紹介になります。「すごいものを見た」と、誰かがその先の人へ話す。その一言のほうが、こちらが並べるどんな説明よりも、強い。だからこそ、越えた一線の先にあるものを、一目で伝わる形にして、届けていく。今日会った方との時間は、その宿題を、くっきりさせてくれました。動く実物は micoto.io で公開しています。
逃げ場のない仕事を、ひとつ載せる
もし、AIを「試したことはある」で止まっているなら、いちど、逃げ場のない仕事をひとつ、載せてみることをおすすめします。日報でも、見積の下ごしらえでも、朝の段取りでも構いません。お試しの機能で終わらせず、毎日使う本物の仕事を、AIに載せて回す。越える前と後で、見える景色は変わります。
最初は、うまくいかないところも出ます。それで構わない、と思っています。私たち自身、詰まったことを、こうして毎日書いています。大事なのは、完璧に動かすことより、本物の仕事を載せて、回し続けることです。回し続けるうちに、任せられる範囲が、少しずつ広がっていきます。そのうえで、体験を人に伝えるときは、言葉より、動いている画面を見せる。内容と、伝わる形。この二つは、別々に作る必要があります。今日お会いした一流の方も、まだ越えていませんでした。裏を返せば、越えるだけで、まだ多くの人の先に出られる、ということです。この余白は、そう長くは残らないと感じています。